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医療用プラスチック射出成形品の中でも多数ある、薄肉成形品の射出成形時におけるポイントとしては、適切な成形条件と金型製作の精度が重要です。
薄肉成形品の成形条件では、薄肉部の溶融樹脂の流動確保がポイントになります。流動層が広い肉厚成形品は、固化するまで時間があるため、ヒケないようにゆっくり充填する事もできます。しかし薄肉成形品では、金型のキャビティ内に充填された溶融樹脂が金型に触れた瞬間から固化し始めます。キャビティ内で固化した樹脂は流れ難くなりますので、充填不良やウエルドラインなどの不良が発生してしまいます。そのため、成形条件での対策としては、流動層を確保しながら充填させるために、充填速度を速くすることがポイントです。固化する前に充填することで薄肉部の流動層を確保でき、完全に充填する事が出来ます。
また金型製作では、コアとキャビとのずれの精度がポイントです。医療用チップなどは偏肉による収縮差で曲がりが発生する事があります。原因としては、成形品で偏肉してしまい、収縮が均一でないためチップのような形状では曲がりが生じてしまうためです。肉薄側と肉厚側の僅かなずれが偏肉に大きく影響しますので、精度の高い金型設計・製作は非常に重要になります。
薄肉成形に関するよくあるご質問、実際に当社にいただいた具体的なご質問と親和工業の回答は、下記をご覧ください。
>>薄肉成形とは、どれくらいの厚さの成形のことを指しますか?
>>サイズφ8×15の既存の医療用チューブで肉薄部の偏肉改善のため、更新型を検討中なのですが、可能でしょうか?
>>分注チップとピアッシングチップが兼用出来るような医療用薄肉チップの形状変更を考えております。サイズ感は6φ×80㎜、肉厚0.5㎜ですが医療用薄肉成形品の形状改良の依頼は出来ますか?
>>薄肉成形品におけるゆがみやエジェクターピンのキズと思われる不良の発生で良品率が悪く改善したいのですが、相談に乗って頂くことは可能でしょうか?
>>療用チューブキャップの一か所に、極薄肉ができる成形会社を探しています。製品寸法はφ10.0×12程度、このサイズ感で親和工業ではチューブキャップの底に、どれぐらいの薄肉成形の実績がありますか?
医療用薄肉成形品の製品事例 一覧
このような薄肉成形を可能にしているのは、当社ならではの薄肉成形に関する技術提案力がポイントです。
薄肉医療用プラスチック射出成形品では製品の形状や特性に合わせた金型設計や成形方法の工夫が大変重要になります。薄肉成形品のご相談はどうぞお気軽にご連絡ください。