用語解説

プラスチック射出成形で材料ペレットを溶融し、射出成形できる状態にする事を可塑化と呼んでいますが、この可塑化においてスクリューは重要な役割を行っています。スクリューにはらせん溝(右ねじ)が加工されており、可塑化時の回転はスクリューの後ろから見て反時計回りに回転(ねじ抜き方法)するため材料が射出成形機の先端に送り込まれます。
なお、スクリューは基本的に供給部、圧縮部、計量部から構成されています。供給部はホッパーからペレットを加熱シリンダーに送り込み、余熱により圧縮部で溶かす準備をします。圧縮部では余熱されたペレットをさらに過熱し溶融します。この時発生したガスなどはらせん後部よりホッパー側へ排気されます。そして、計量部は溶融した材料をさらに混合し均一にします。スクリューは簡単な構造ではありますが各部の長さや溝の深さの違いにより、プラスチック原料の可塑化が不安定になることもあります。そのため、安定した可塑化は医療用プラスチック成形品の品質安定にも大きな影響があります。新たなプラスチック成形品の開発には、金型設計とともに可塑化機構も検討することが大切です。