用語解説

プラスチック樹脂の温度特性には低温に対するものと高温に対するものの2種類に分けられますが、高温度における抵抗性を耐熱性と呼んでいます。
耐熱性の評価をJISにおいて、熱硬化性樹脂は外観変化によって判定する方法、熱可塑性樹脂は耐熱変形性を持って表す方法を採用しています。
外観判定の方法は成形材料については直径50mm、厚さ3mmの円盤状の成形品を恒温槽の中で100~200℃(各±2℃)に加熱し、2時間後に外観のふくれやひび割れなどのいちじるしい外観変化の有無を調べて、外観変化の生じなかった加熱温度をもってその樹脂材料の耐熱性を表示します。
 
耐熱変形性の試験方法は荷重たわみ温度(熱変形温度)が一般的です。JISでは荷重たわみ温度(熱変形温度)とは「プラスチックを一定荷重下において一定速度で温度上昇させた時に所定の変形(変形量)を示す温度」と規定しています。
耐熱変形性の試験方法は、試験片の中央に1.813Mpaの応力に相当する荷重を加え、1分間2℃の速度で昇温させ、試験片に0.26mmのたわみを生ずるときの温度をもって荷重たわみ温度と判定します。荷重たわみ温度は熱可塑性樹脂の中ではポリカーボネイト(PC)が最も高く、ポリエチレン(PE)はきわめて低い部類に属します。
樹脂成形会社の多くは、材料ごとの上記データを元に成形条件を決め、成形品の製作を行っています。