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射出成形における「バリ」とは金型内に充填された溶融樹脂が本来の製品形状より樹脂がはみ出し、固化された外観不良です。製品の縁に発生しやすく見た目が悪くなりますが、場所によって寸法公差や嵌合の不具合にも影響を及ぼすため注意が必要です。成形品の流動末端やキャビとコアのＰＬ面、入れ子、スライド入れ子のすき間にバリは発生しやすく、さまざまな原因が考えられますが、大きく分けて、成形条件の場合と金型起因の場合が考えられます。

  • 成形条件の場合
    • 型締め力不足　　
      充填に必要な型締め力が足りず、金型が開いてしまう

    • 過充填
      充填速度が速い、充填圧が高い、保圧が高い、保圧時間が長いなど、必要以上に金型内に溶融樹脂を充填　　　　して金型の入れ子やＰＬ面のすき間に樹脂が入り込む

    • 型温、樹脂温が高い　
      金型温度や加熱筒の温度が高いと樹脂の流動性が高くなりキャビティ内に溶融樹脂が流れやすくなるため、入れ子やエジェクターピンのすき間に樹脂が流れ込む
  • 金型起因
    • キャビコアのＰＬ面、入れ子　
      老朽化や金型の合わせ面にキズや凹みがあると成形品はその部分にバリが発生、

    • スライド入れ子　　
      スライド摺動部のクリアランスが大きい

    • ランナーの太さ、ゲート位置　　
      ランナーの形状やゲートの位置設計によっては樹脂の流動性をよくしなければならず、その結果、充填圧が高くなる

バリの発生場所や状態でさまざまな要因を考え、見極めることで的確な対策が可能になります。