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ガス焼けの原因は、ガス逃げが悪いことが要因で発生します。溶融樹脂が金型のキャビティ内に充填される際に、型内の空気や溶融樹脂のガスがガスベントから金型外へ排出できず、逃げ場を失った空気やガスが圧縮され、高温・発熱することで、製品の一部が焼けこげた外観になります。
つまりガス焼けは、ガス逃げを良くすることで改善します。
ガス逃げ対策では成形条件の調整と金型構造の調整があります。
成形条件の調整
① 射出速度を遅くする→低速で溶融樹脂を充填させ、ガスを逃げやすくする
② VP値や充填切換値を変更する→ガス焼け発生位置をショートショットで確認し、切換え値を変える
③ 型締め力を下げる→型締め力を下げて、PL面からのガス逃げを良くする
金型構造の調整
① ガスベントの追加→ガスベントを追加しPL面からのガス逃げを改善します。またベント溝を深くする(バリにならない深さ、一般的に0.02㎜)
② 入子割りやガス抜きピンを設ける→入子割りの分割のすき間やガス抜きピンからガスを逃がす
③ ゲート位置、ゲート径の調整→ゲート位置を変更し充填樹脂の流れを変え、ガス発生ポイントを変更します。
成形条件と金型構造、どちらもガス焼け発生の原因を見極め、違う不具合の発生に注意しながら調整することが重要です。