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パイロジェンとエンドトキシンが同義語のように使用されることがありますが、エンドトキシンはパイロジェンの一部であり、厳密には同じではありません。

ワクチン接種が実用化されたころ、パイロジェンとエンドトキシンは同じ意味で使用されていました。19世紀末、ワクチン開発や静脈注射の普及に伴い、投与後の発熱が問題になりました。感染した細菌が体内で増殖し発熱が生じると考えられていましたが、死菌ワクチンの投与後にも発熱が起きることがありました。その後、死菌ワクチンに含まれていたグラム陰性菌の細胞膜に由来する耐熱性毒素が原因であることがわかり、発熱物質という意味のギリシャ語由来のパイロジェンと呼ばれるようになりました。その後、グラム陰性菌のエンドトキシン以外にも他の微生物由来のものやウィルスなどから発熱物質が発見され、エンドトキシンはパイロジェンの一部という認識が一般的になりました。

パイロジェンフリーの方がエンドトキシンフリーよりもさまざまな発熱物質を含んでいないように感じますが、外因性発熱物質で不活化が最も難しいのがエンドトキシンであるため、エンドトキシンを不活化させれば、他の毒素は不活化できます。エンドトキシンフリーであるならば、パイロジェンフリーであると言えます。

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