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射出成形におけるガス焼けとは成形品の一部が焼けこげたように、変色してしまう成形不良のひとつです。流動末端や金型のガス逃げが悪い場所や樹脂の流れにくい場所で起きやすく、成形条件や金型のガスベント、金型の状態が原因で発生します。

ガス焼け発生のメカニズムは金型のキャビティ内に溶融樹脂が充填される際に、キャビティ空間内の空気や樹脂の溶融時に発生したガスが、ガスベントからうまく排出されずに圧縮され、高温、発熱したことで、製品の一部が黒く変色してしまいます。

ガス逃げ不良がガス焼けの原因ですが、成形条件による場合と金型起因による場合の大きくふたつに分けられます。成形条件が原因の場合、充填速度を遅くする、型締め力を下げる、切換位置を変えることで改善できる場合があります。

金型起因の場合、ガスベントの位置やベント溝の彫りが浅くてガスが逃げない事もあります。ベントの追加やベント溝の掘り直しでガス逃げを良くすることが可能です。また金型構造で可能であれば、入れ子割りにしてすき間からガス抜きをします。ガス焼け対策ではガスの発生自体を抑える条件調整が可能であるか二次不良に注意しながら見極め、ガス逃げ強化の金型加工を追加することが望ましいでしょう。