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医療樹脂の成形条件を構成する主な要素として、①充填圧、②充填速度、③保圧、④保圧時間の4つが挙げられます。この中で、仕上がり寸法に影響を及ぼすのは、③保圧、④保圧時間の2つです。
③保圧が仕上がり寸法に影響を及ぼす理由
仕上がり寸法に大きな変化をもたらしてしまう現象は、成形後の収縮です。この収縮は成形して約24時間後に表れる現象です。仕上がり寸法を当初の目的通りに収めるには、この収縮を如何に最小限に抑えられるかがポイントとなります。
この収縮を最小限に抑える方法は非常にシンプルで、金型の最大許容量にできる限り近い樹脂を充填することで、これは保圧を上げることで実現します。
そのため保圧は、医療樹脂の成形における仕上がり寸法に影響を及ぼす要素だと言えるのです。
④保圧時間が仕上がり寸法に影響を及ぼす理由
先述の通り、保圧は仕上がり寸法に影響を及ぼす成形条件と言えます。しかし保圧を上げすぎるとバリや反りなど成形不良を引き起こしてしまいます。
そこで、バリや反りなどが起こらない圧力を長い時間かけることで、バリや反りなどの成形不良を引き起こすことを防ぎながら成形後の収縮を最小限に抑える事ができます。
このことから、保圧時間も保圧自体と並び、医療樹脂の成形における仕上がり寸法に影響を及ぼす要素だと言うことができます。