医療用のプラスチック射出成形に使用される材料は様々なものがありますが、代表的なものにポリプロピレン(PP)があります。
ポリプロピレンの特徴として、耐薬品性があげられます。ポリプロピレンは酸、アルカリ、油に対して浸食されにくく、薬品をよく取り扱う医療用プラスチックに多く使用されます。また、使用される用途としては医療機器をはじめとして、包装材料、実験器具、容器、繊維、自動車部品、文具、玩具など幅広く使用されています。
ポリプロピレン(PP)の特徴
比重 | 0.91gと小さく、水に浮かぶことができる |
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耐熱性 | 融点165℃、引火点300℃ |
外観(色) | 半透明(染色性は悪い) |
耐薬品性 | 酸性、アルカリ性の薬品、油に対して浸食されにくい |
通電性 | 基本的に絶縁性 |
耐候性 | 悪い |
環境 | 完全燃焼をすると、ほぼ水と二酸化炭素になるという性質があるので、リサイクルが比較的容易とされている |
ポリプロピレン(PP)に関するよくある質問
当社では、ポリプロピレンを用いて様々な遺伝子解析用のプラスチック容器の成形実績がございます。
下記では実際にいただいたご質問も含めてご回答しておりますので、ポリプロピレンに関してお悩みの方はぜひご覧ください。
>>PP、PC、PE、PA、ABS樹脂用の金型を設計、製造できますか?
>>遺伝子解析用のプラスチック容器の成形には対応していますか?
>>PCR検査用の容器にはどのような樹脂材料が採用されていますか?
>>濾過用フィルターハウジングの製造におけるポイントを教えてください。
ポリプロピレン(PP)の製品事例
続いて、実際に当社が製造したPP製の製品事例をご紹介いたします。
薄肉チューブ成形品
医療用プラスチック製品の中でも、リアルタイムPCR用チューブは胴体部分の肉厚を極力薄くするというニーズがあります。リアルタイムPCR用チューブは、加熱と冷却を繰り返すため、熱の伝導が良くなければなりません。
薄肉チューブ
この医療用プラスチック射出成形品は、リアルタイムPCRに使用される肉薄チューブです。リアルタイムPCRとは、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)による増幅をリアルタイムにモニター解析することを言います。このリアルタイムPCR用肉薄チューブは材料にはポリプロピレンが使用されているのですが、薄さ0.3mmという肉薄で製作されていることが特長として挙げられます。
薄肉シリンジ
こちらのプラスチック射出成形品は、PP(ポリプロピレン)製の医療用シリンジです。このシリンジは中に入るピストンの関係で内側の抜きテーパーが0度となっています。この医療用薄肉シリンジは注射器などの医療用器具とは違い、使用する際に中身を過熱するため、製品の側面部分の肉厚が薄く出来ています。
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『医療用プラスチック成形.com 』を運用する親和工業では、医療機器に使用されるプラスチック製品を常時、安心・安全な品質でお客様にご提供するために、社内にクラス10,000以下のクリーンルームを完備しています。当社のクリーンルームは高清浄度を実現するために3重のフィルター構造をとっています。
また当社では、クリーンルームを完備するだけでなく、平成29年に医療機器製造業登録証の取得、令和元年9月にISO13485の認証取得、そして令和2年にを第二種医療機器製造販売業許可を取得しました。
>>第二種医療機器製造販売業許可、医療機器製造業登録、およびISO13485の認証
このように親和工業では、これまで以上に医療業界向けのプラスチック成形品を、安心・安全にご提供する体制を整えています。近年では、DNase-free、RNase-free、エンドトキシンフリーの製品に対応し、放射線(ガンマ線、電子線)の照射による滅菌やEOG減菌にも対応しており、遺伝子治療や不妊治療向けの高精度医療機器の開発・設計・製造を行っており、各種特許も取得しております。
>>遺伝子解析・遺伝子治療用プラスチック成形品に関するよくある質問一覧
>>不妊治療向けの医療用プラスチック製品の開発ストーリーはこちら
さらに当社では、全国でも極少数しか取得していない特級プラスチック成形技能士を2名輩出しております。
医療機器製造業許可・ISO13485・医療機器製造販売業許可を取得し、クラス10,000のクリーンルームを持つ、安心・安全の生産工場にて、特級プラスチック成形技能士が各種VA/VE提案を行うことで、お客様の想いを形にして、日本・世界の医療業界に貢献してまいります。医療用プラスチック成形のことでお困りの方は、まずは医療用プラスチック成形.comを運営する親和工業株式会社までお気軽にご相談ください。