現在では、プラスチック製品に抗菌性を持たせた抗菌プラスチックが、医療現場だけではなく、一般家庭においても使用されるようになりました。抗菌プラスチック用の抗菌剤としては大きく分けて有機系、無機系、天然系の3つに分類されます。
①有機系
アルデヒド系、フェノール系、ピリチオン系など、殺菌作用の即効性が高く、抗菌効果も強いですが、熱に弱く、効果期間も短い傾向にあります。また、これらの有機系は人体に対しても有害な物質である為、使用する場合には注意が必要です。
②無機系
銀や銅、亜鉛といった金属の発生するイオンによって抗菌効果を発生します。無機系は熱に強く、効果も長いため、抗菌プラスチックでは最も多く使用されています。
③天然系
わさびやカラシ、ヒノキといった植物から抽出された成分の抗菌作用を利用するため、人体への影響が最も少ないですが、熱に弱く、効果期間も短い傾向にあります。
加工方法について
①プラスチック原料に混ぜて成形する方法
プラスチック原料に抗菌剤を混ぜて、プラスチック射出成形機で成形する方法です。プラスチック原料を溶融させる温度まで加熱されてしまうため、熱によって分解しない抗菌剤を使用する必要があります。
②プラスチック製品の表面加工をする方法
プラスチック製品の表面に前加工を施し、抗菌剤によって抗菌作用を持たせる方法です。
プラスチック原料に混ぜて使用するよりも、抗菌剤の使用量が少なく、熱に弱い抗菌剤でも使用できますが、製造工程が増えてしまうのが難点です。