プラスチック射出成形の成形条件の保圧時間を設定するには、ゲート時間を知る必要があります。成形品の重量はゲートシールまでは保圧をかければ重くなり、ゲートシール以降では保圧時間を延ばしても金型のキャビティ内に溶融樹脂が入っていかないため、成形品の重量は一定のままで増加しません。これらの関係性から製品重量が変化しなくなるまで保圧時間をかけることにより、ゲートシール時間を知ることができます。
また、ゲートシールより保圧時間が長い場合は、成形品重量は一定で重量に変化がなく、ゲートシールより保圧時間が短い場合には、成形品重量は変化します。この変化のバラつきが大きい場合には、安定成形を考えるとゲートシール時間以上の保圧時間が望ましいと言えます。
しかし、ゲートシール時間まで保圧時間を延ばすことは成形サイクルを長くすることにもなるため、それぞれの保圧時間で成形品の品質のバラつきを求めて成形品の要求品質とサイクルコストにより保圧時間を決定させます。
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