プラスチック成形品の製品価格は大きく分けて、材料費、加工費、販売管理費、利益、などから構成されます。この中で成形サイクルが製品価格に影響してくるのは加工費です。プラスチック成形品の製品コストはプラスチック成形品の成形時間の一秒、一分当たりの加工費に成形サイクルを乗じて加工費を求め、プラスチック射出成形品の見積りを考えます。成形サイクルが短縮されれば成形加工費のコストダウンを図ることができ、製品コストのコストダウンにもなります。プラスチック射出成形品の成形サイクル短縮は製品コストを考える上でとても重要です。
成形サイクルを短縮する方法としてプラスチック射出成形品の品質に直接影響しないところから考えます。既に成形条件が設定されている場合、射出条件,可塑化条件、冷却時間などは成形品の品質に影響するため、まずそれ以外の各工程を分析し条件の見直しをします。

1.同時に動作している工程での時間差

  • 型開完了後、取り出し機の動作準備に時間がかかってないか
  • 製品取り出しとランナー取り出しで片方だけに時間がかかっていないか

2.何も動作していない時間はないか

  • 型締め完了後、射出開始までの時間(充填遅延時間)
  • 型開完了後、突き出し開始時間
  • 製品取り出し完了後、型閉じ開始時間

3.各工程の速度

  • 型開閉速度
  • 突き出し速度
  • 取り出し機の動作速度

無駄な時間を短縮出来れば成形サイクルの短縮にもなります。成形条件を変更している訳ではありませんがサイクル短縮により金型温度が上がり製品寸法に変化が出る場合もあります。プラスチック成形品の品質を確認する際は金型温度が安定したことを確認し、品質チェックを行うことが大切です。