プラスチック成形品のバリやソリ、変形などが出ず、高品質なプラスチック成形品を作るためには、完成品に合わせた金型の設計・製作を行う必要があります。また、プラスチック射出成形品の作り直しや不要な後処理を発生させないためにも高精度な金型が必要となります。
プラスチック射出成形の金型設計・製作のポイント
(1)金型の使用期間が考慮されている
金型の使用期間は成形される製品のライフサイクルによって異なっています。
ショット数と金型の耐久性は密接な関係なので、それらを考慮した金型材質の選定が必要となります。
(2)金型の寸法精度が高い
プラスチック射出成形品の加工精度は、使用する金型の精度に大きく影響されます。
金型により成形品の寸法誤差が発生しますので、寸法精度の高い金型を製作しないといけません。
(3)プラスチック充填性が良い
プラスチック射出成形において、充填不足による品質低下があります。
これはプラスチック充填の際の温度管理が適切でないことも理由となりますが、使用する金型の面粗度に問題がある場合もあります。
金型の面粗度を出すことによってプラスチックの流動抵抗を下げ、しっかりと充填させることができます。
また、ガス逃げ回路を十分配置することも重要です。
(4)製品離型が良い
製品離型が悪いと、ソリや変形が発生してしまいます。
製品離型を高めるためには、研磨や研削などによってプラスチック射出成形に用いる金型の面粗度を出します。
また、プラスチック成形製品に使用する原料の特性を加味して金型設計・製作を行います。
(5)適切な金型価格
金型の価格はプラスチック射出成形品の製品形状、製品サイズ、製品の材質、取数、金型の材質、ショット数、納期などによって価格が大きく異なります。
設計・開発段階より、製品の仕様を綿密に打ち合わせを行うことで、その製品にあった適切な金型製作を行うことが可能となります。