プラスチック射出成形を行うにあたっては、プラスチック射出成形機以外にも
様々な付帯装置等が必要となります。ここでは、それらの付帯装置について実際に現場で成形をしている視点から紹介したいと思います。
①製品取り出し機(取り出しロボット)
製品取り出し機とは、プラスチック射出成形機で成形された製品、およびランナーを金型内から取り出す為の装置です。製品取り出し機を使用することで、全自動運転が可能となり、安定成形、製品の傷つき防止、省人化のメリットがあります。
プラスチック射出成形の現場でよく目にする有名な取出しロボットのメーカーは、セーラー万年筆株式会社のロボット事業部製、株式会社ユーシン精機製、スター精密株式会社製になります。
②材料供給装置
材料供給装置とは、プラスチック射出成形機のホッパー内へ材料を自動供給する装置のことです。材料供給装置を使用することで、材料投入の頻度を減らせるため、省人化が可能となります。また、人的作業が減る分、高い位置にあるホッパーであっても、作業の危険性がなく、材料がこぼれる等の問題も発生しません。
③ランナー粉砕機
ランナー粉砕機とは、プラスチック射出成形で発生したランナーを細かく粉砕する装置のことです。ランナー粉砕機を使用することで、リプロユース可能な製品の場合、材料と混ぜて再利用することが出来るようになります。リプロユース不可の製品の場合でも、大量に発生するランナーの体積を少なく出来るメリットがあります。
④金型温調器
射出成形の金型温調器とは、金型の冷却水を加熱する装置のことです。金型温調器を使用することで、金型の温度を上げて、樹脂の流れを良くしたり、金型の温度を一定に保ち、製品の品質を安定させることが可能となります。例として、金型の温度を上げる場合は、通常20度の冷却目的の水を循環するところ、30℃~120℃の水を循環させることや、油を使った非常に高い温度にすることもあります。
⑤材料乾燥機
材料乾燥機とは、材料に含まれる水分を取り除くために使用される装置です。材料に含まれる水分を除去することにより、シルバー等の不良を防ぐことが可能となります。
⑥射出成型の金型用クレーン
プラスチック射出成形機の金型の脱着の為に必要となります。基本射出成形の金型は、基本的にクレーンで吊上げて、成形機の上部から取付を行います。その際に使用するのがクレーンになります。
射出成形の金型(全般的に他の金型も非常に効果になる)は何百万の費用が掛かっている高価な精密部品であり、モノによっては重量が100kgを越えることもあります。