Before (改善前)
プラスチック射出成形品のシリンジの根元側にゲートを配置すると、ゲート痕が目立つ位置に残ってしまいます。ゲート痕が目立ってしまうので、見た目も悪くなります。
V
After (改善後)
プラスチック成形金型の設計変更により、ゲート位置を変えることで目立たない位置にゲート痕を移動させることで、見た目が悪くなることを避けることができます。シリンジの場合は金属キャップをヘッドの部分に挿入して使用しますので、シリンジのヘッド側にゲート位置を変更することで、金属キャップにゲート痕が隠れるようになります。
POINT(要約)
医療用プラスチック金型設計の際、製品形状と同時にゲート位置を考慮することで、最終的に完成した製品での外観の良さに大きく影響します。
以下の3点を注意することで、外観もきれいなプラスチック射出成形品を製作することができます。
① その製品に対する、樹脂の流動性を考慮したゲート位置の決定
② 金型のゲート部分の強度や負荷を考慮した設計になっていること
(例えば細いコアピンの付近にゲートを配置してしまうと、成形機の射出工程の都度、金型のコアピンに負荷がかかります。それにより、製品にバリが発生したり、コアピンの寿命を短くしてしまうことがあります。)
③ 最終的に他のプラスチック製品や装置に組み込まれてしまう際、ゲートが見えない位置にすることで、外観が良くなります