Before (改善前)
プラスチック射出成形におけるゲートの種類の1つにサブマリンゲートが存在します。サブマリンゲートはゲートの金型への加工方法によって、断面が楕円型とD型の2種類があります。一般的に楕円型の断面で金型を製作する金型メーカーが多いですが、サブマリンゲートにおいて楕円型を採用すると、金型加工は容易ですが離型の際に断面積が大きく、プラスチックによっては樹脂カスが発生し、ゲートが切れにくい場合があります。そのため、射出成形品の仕上げ面の品質が低下する要因となります。
V
After (改善後)
医療用プラスチック成形においてサブマリンゲートを採用する際には、ゲート形状をD型にすることによって、プラスチック射出成形品の仕上げ面がキレイに切れ、成形品の品質向上につながります。サブマリンゲートがD型のゲート形状であることによって、ゲートの角部に応力が集中するため、離型の際に樹脂が切れやすくなり、離型面の品質が向上します。また、D型のゲートにすることによって断面積を小さくできるので、樹脂の配向も発生しにくくなるため、樹脂カスの発生を抑制することもできます。
POINT(要約)
サブマリンゲートを採用する際には、金型メーカーの加工方法よって、ゲート断面が楕円型とD型になります。一般的に多くの金型メーカーは、加工方法が容易な方法で加工してしまうので、断面は楕円型になります。対して、断面をD型形状に加工するには金型のゲート部分の金型部品の材質や形状によって加工方法が異なりますが、いずれにしろ断面形状が楕円の形状の加工に比べ加工工数が必要になります。D型ゲートの方が角部に切断時の応力が集中するため切断時の品質向上になります。