ジェッティング発生を抑える金型設計
Before (改善前)

肉厚の厚い部分や、深さのあるプラスチック射出成形品の場合、プラスチック樹脂がゲートから金型に当たるまでの距離が長いために糸巻き状になりながら充填されます。これにより、ジェッティングと呼ばれる、成形品の表面に蛇行したような流動痕が表面に残ったまま冷却固化してしまう現象が発生してしまいます。ジェッティングにより、見た目も悪くなってしまい、使用用途によっては製品を破棄しなければならず、コストアップとなってしまう場合もあります。
After (改善後)

プラスチック射出成形品のゲートの位置を変更し、ゲートから金型の製品壁面までの距離を短くすることでジェッティングの発生を回避することができます。また、それに合わせてゲートの径を小さくすることでプラスチック樹脂の充填スピードも速くなるので、よりきれいに充填することができます。これにより、ジェッティングを抑制することができ、不良品の発生によるプラスチック射出成形品の破棄や作り直しを回避することが可能となります。
この記事を書いた人

-
親和工業の医療用プラスチック成形を支える、社歴20年の現場技術担当です。
私の強みは、流動解析を用いた3D金型設計から、現場での成形オペレーション、高精度な検査、そして梱包出荷に至るまで、射出成形のすべての工程を自ら泥臭く経験してきたことです。
各工程のメリット・デメリットを骨の髄まで理解しているからこそ、開発・設計段階での確実なVA/VE提案や、手戻りのないスムーズな試作・量産化が可能です。
特級技能士の技術力と、クラス10,000のクリーンルーム、最新のPCR品質保証体制を掛け合わせ、世界の医療を支える高品質なプラスチック製品をお届けします。
最新の記事一覧
コストダウン2025年11月20日複数用途に使用可能となる部品製造の設計
コストダウン2025年11月20日嵌め合い部品の調整による組み立て工数の削減
コストダウン2025年11月20日四角型容器のコーナー部の薄肉化によるソリ防止
コストダウン2025年11月20日適切箇所のみへの公差設定によるコストダウン
POINT
プラスチック射出成形品において、特に厚肉部分(ゲートから金型の製品壁面までの距離が遠い)にはジェッティングが起こりやすいとされていますが、厚肉部分にはジェッティングの他にも、ヒケやボイド(空洞)が発生しやすい傾向にあります。金型のゲートの位置を変更する以外にも金型温度やプラスチック樹脂温度を上げるなどで、ヒケやボイドの発生を抑えることができます。厚肉の医療機器プラスチック射出成形品を製作する際には、その製品形状を考慮すると同時に成形条件も検討する必要があります。製品図面には、ヒケ厳禁等の注記を記入し金型設計時に注意を促す必要があります。





