クライオチューブ(凍結保存管)とは?材質と超低温保存の注意点
1.クライオチューブとは
クライオチューブとは、細胞、血液、DNA、試薬を「超低温(-80℃~ー196℃)で凍結保存」する容器です。凍結保存の目的は、生体試料や細胞のサンプルの特性変化を少なくすること。したがって、密閉性がないと、漏れやサンプルの劣化に直結します。できるだけ高い密閉性を実現するために、外ねじ(アウターキャップ)や内ねじ(インナーキャップ)などチューブとキャップの篏合部分は用途によって選ばれます。また、チューブには容量の目盛りやラベルの書き込みスペースも設けることができ、QRコードやラベルシールなどで検体を適切に管理することも可能です。このチューブは、生物学的試料、研究やバイオ、再生医療の分野でよく用いられます。
2.インナーキャップとアウターキャップの違い
インナーキャップとアウターキャップは、使用する用途と重要視するポイントによってどちらか選択します。
インナーキャップとは、ネジ部が内側になるためチューブ自体がコンパクトになります。省スペース化することができる為、ラック収納数が増えることや、ロボット収納、自動搬送など自動機との相性も良いことが利点。一方で、欠点もありネジ部が内側であることから検体や液体との接触リスクが高く、サンプル残留やコンタミリスクがあります。
アウターキャップは、ネジ部が外側にあるためサンプルと接触しにくいのが特徴です。液体窒素保存をする際には、液体窒素が内部へ侵入しにくいアウターキャップが選択されます。
液漏れや密閉性の観点でいうと、どちらの構造も二重シール、特殊ガスケットやOリングなどと組み合わせることでリスクを低減できます。研究用途であるとインナーキャップ、医療や細胞保存となるとアウターキャップを選択されることが多い傾向にあります。
3.自立型(アウター)と非自立型の使い分け
クライオチューブでは、自立型と非自立型の2タイプが一般的です。
自立型は、チューブの底が平らになるよう設計されている為、ラックが不要で、ピペット操作やチューブの開閉、ラベル貼りなど作業がしやすくなります。一方で、底面を作るとなると、どうしても肉厚が増してしまうため、成形品のヒケやボイドの発生、偏肉が起こりやすいのがデメリットです。また、あまり肉厚な設計にすると残留応力が出るため、超低温時にクラックや割れのリスクがあります。
非自立型は、シンプル形状で均一な肉薄成形が可能であるとともに、丸底は応力集中が少なくクラックのリスクを低減できるのがメリットです。また自立型よりも、省スペース化が可能で大量保存する場合に向いています。一方で作業中に転がってしまうことやラックが必須となるため、どうしても作業性の面では自立型には劣ってしまいます。
どちらのタイプも、設計時の肉厚やランナー設計、金型構造次第でリスクの低減、品質の高い製品実現が可能な為、一度お問い合わせよりご相談下さい。
4.液体窒素保存時の注意点
液体窒素保存時の最も気を付けなければいけないのは、保存中よりも「解答時」です。
もし、液体窒素がチューブに入り込むと解凍開始後に窒素が急激に気化し、体積が膨張すると内圧が上がりキャップ飛びや破裂のリスクがあります。
インナーキャップの場合、液体窒素がネジ隙間やキャップ内側から侵入しやすい為、アウターキャップにOリングや外周シールで液体窒素の侵入経路を遮断する方がリスク低減に繋がります。また、超低温の場合、水分・氷・タンパクが固まり、インナーキャップの場合ネジ内部に付着した液が固着しやすいというデメリットもあり、アウターキャップを選択されることが多いです。
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