セラムチューブ(血清保存用チューブ)とは?特徴と用途
1.セラムチューブとは
セラムチューブとは、主に医療や研究、検査で使用される「血清」を採取し保存する容器です。血清は、赤血球、白血球、血小板、凝固成分を血液から取り除いた透明な液体です。
成形の観点からみると、医療グレード樹脂にて、高透明性、遠心耐久や密封性、滅菌対応など多方面から制約があり、クリーンルーム内での高度な成形技術が必要となります。高い透明性となると、薄肉での設計が必要不可欠であり、成形条件を出す上でもバリや穴開き、偏肉などが特に注意すべきポイント。また、密閉性の観点では真空状態をどう作るか、シールする設計が大事になり、Oリング、パッキンやエラストマーを使用した設計やPPの樹脂キャップでも精度の高い篏合設計が必要です。
2.主な用途(血清・検体保存)
具体的な使われ方としては、採血した血液をセラムチューブに入れ、血液を固める。その上で遠心分離機にて、分離した血清を使用して検査する流れです。生化学検査、抗体検査、ホルモン検査、感染症検査、遺伝子研究、細胞培養など検査研究がメインですが、病院での採血でも一般的に使われます。
3.クライオチューブとの使い分け
簡潔にまとめるならば、セラムチューブは血液検査、クライオチューブは長期保存で使用される。セラムチューブでは、血清と血球を遠心分離するのが前提なのでチューブも遠心耐久性が求められます。クライオチューブは、細胞保存、DNA保存、血清保存、バイオバンクや再生医療の分野にて長期保存を目的として使用されます。-80℃~液体窒素保存のー196℃の超低温にて保存されるため、クライオチューブには、クラックや液体窒素が検体に流れ込まない密閉性の高さが求められます。
4.検体漏れを防ぐシール性の重要性
セラムチューブの場合、最も検体が漏れるリスクがあるのは、「遠心分離機」にかけた時です。その際に、遠心力によるキャップ浮き、液漏れやエア漏れが起こりうる可能性があります。シール性が悪いと、汚染のリスクだけでなく、感染検査結果にも影響をもたらします。
シール面は、キャップとチューブの口元の面をゴム栓やOリングなどを用いてシールすることが一般的です。したがって、成形においてはチューブの真円度、偏肉のない均一な肉厚が求められます。また、微細なバリも密閉不良の原因となり、成形時には注意が必要です。また、ゴム栓やOリングを使用しても、篏合設計が強すぎるとゴムが変形してリークしたり、解析後にチューブを開けにくいなど別のトラブルにもつながります。