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医療機器 海外展開を支える製造委託先の条件とは?

医療機器 海外展開を支える製造委託先の条件とは?

「製造委託先がISO13485を取得しているか、海外のバイヤーから確認を求められた」「中国の委託先に切り替えてから品質クレームが増えた」——弊社にご相談いただく医療機器メーカーの開発・調達担当者の方からは、こうした声が少なくありません。

医療機器を海外で販売するのは顧客であっても、その製品の品質を決めるのは製造委託先です。海外展開における「製造委託先の選定」は、規制対応・品質証明・顧客の信頼構築に直結する、見落とされがちな重要課題です。

本記事では、医療機器の海外展開を支える製造委託先に求められる条件を整理し、ISO13485・クリーンルーム・DNAフリー保証まで国内最高水準の体制を持つ親和工業がどのような役割を担えるかをご説明します。

医療機器の海外展開とは?

【定義】医療機器の海外展開とは、国内で設計・製造した医療機器を、海外市場で販売・流通させる取り組みのことを指します。

日本の医療機器ビジネスにおいて、「輸出するのは顧客(製造販売業者)、製造するのは委託先」という分業構造は広く定着しています。つまり、製造委託先である成形メーカーが直接輸出するわけではなく、顧客が自社のブランドで海外販売を行い、製造は国内の委託先が担うというモデルです。

弊社・親和工業でも、PCR検査用消耗品や体外診断製品をはじめ、顧客が海外展開する製品の成形を長年にわたって受託してきました。製造は埼玉県川口市の自社工場で行い、完成した成形品を顧客が輸出するかたちです。この構造において、製造委託先の品質と認証体制が顧客の海外展開を支える根幹になります。

世界の医療機器市場が拡大している背景

世界の医療機器市場は、高齢化・新興国の成長・体外診断需要の拡大を背景に、継続的な成長が続いています。2032年には8,868億ドル規模に達するとの予測もあり(ASPINAコラム等)、国内市場だけでなく海外展開を視野に入れる医療機器メーカーが増えているのは自然な流れです。

ただし、海外展開で求められる品質管理水準・規制対応は国内とは異なります。その製造を担う委託先が、こうした要件を満たしているかどうかが問われるようになっています。

日本国内製造のまま海外市場へ届く仕組み

「海外展開=海外に工場をつくる」ではありません。国内で製造した製品を、顧客が輸出するかたちで世界市場に届けるモデルは、日本の医療機器産業で長く機能してきた現実的な方法です。この場合、製造委託先が保有するISO13485認証や製造業許可の情報が、顧客の海外販売申請や取引先への品質証明に直接使われます。

>> 医療機器・プラスチック部品を国産化(国内回帰)するメリット

なぜ製造委託先の選定が、海外展開の成否を左右するのか?

【ポイント】製造委託先の認証・品質体制は、顧客の海外販売申請・バイヤーへの品質証明・規制当局への対応に直接影響します。

「製品の海外展開は自社(顧客)が担うから、製造委託先の認証は関係ない」と考えていると、実際の取引場面で壁にぶつかることがあります。弊社に相談をいただいたあるケースでは、海外の大手医療機器バイヤーから「製造元のISO13485証明書を提出してほしい」と求められ、委託先の変更を余儀なくされたという経緯がありました。

製造委託先が保有する認証・品質管理の記録は、顧客の製品申請書類の一部として機能します。ISO13485を持たない委託先に成形を依頼していると、顧客が海外展開を進める段階で、調達先の変更・書類の整備・審査のやり直しといった余分なコストと時間が発生するリスクがあります。

製造委託先の品質が顧客の海外展開に影響する理由

医療機器の品質マネジメント規格であるISO13485は、製造販売業者だけでなく、部品・成形品を供給するサプライヤーにも適用される国際規格です。欧州をはじめ、アジア各国でも医療機器の輸入販売条件として、サプライチェーン全体にISO13485対応を求める動きが強まっています。

つまり、顧客が適切な認証を保有していても、製造委託先が対応していなければ、サプライチェーン全体の品質証明が成立しない場合があります。

弊社に寄せられる相談の実態

「コスト削減を目的に中国の成形メーカーへ委託を切り替えたところ、品質基準を満たせず、国内委託に戻すことになった」というケースは、弊社へのご相談の中でも複数回耳にしています。また「製造委託先がISO13485を持っているとは聞いていたが、実際に運用しているかの確認をしていなかった」という声も少なくありません。

製造委託先の選定は、コストと納期だけで判断できる領域ではありません。海外展開を見据えるなら、認証の取得状況・運用実態・品質保証の具体的な方法まで確認することが必要です。ただし、すべての製品・すべての市場で同じ水準が求められるわけではなく、自社製品の分類や展開先の規制によって必要条件は異なります。

>> ISO13485とは?QMS省令との違いをわかりやすく解説

海外展開を支える製造委託先に求められる5つの条件

医療機器の海外展開を見据えた製造委託先を選定する際、押さえておきたい条件を5つに整理します。すべてを完全に満たす必要があるかどうかは製品の種類・展開先によって異なりますが、以下は選定の基本軸になります。

条件概要親和工業
①ISO13485認証医療機器向け品質マネジメントシステムの国際規格取得済み
②医療機器製造業許可薬機法に基づく国内製造の法的要件取得済み(製造業登録・製造販売業許可)
③クリーンルーム環境異物混入・汚染リスクの低減クラス10,000完備
④品質保証体制DNAフリー・エンドトキシンフリー等の証明能力リアルタイムPCRによる保証
⑤開発提案力VA/VE提案・試作・金型設計まで対応特許保有・開発段階から対応

①ISO13485の認証取得

ISO13485は、医療機器向けの品質マネジメントシステムを規定した国際規格です。欧州・アジア各国で医療機器取引の前提条件として求められるケースが増えており、製造委託先がこれを保有しているかどうかは、顧客の海外販売申請に直結します。

注意が必要なのは、「取得済み」という事実だけでなく、日常の製造工程においてISO13485に基づいた管理が実際に運用されているかどうかです。取得のみで運用実態が伴っていない委託先も存在するため、監査記録・内部審査の実施状況まで確認することをお勧めします。

②医療機器製造業許可の保有

国内で医療機器を製造するためには、薬機法に基づく製造業の登録が必要です。製造業の登録なしに医療機器部品を製造している委託先は、法的なリスクを内包しています。さらに製造販売業許可を保有している委託先であれば、製品ライフサイクル全体の管理責任を自社で担う体制が整っていることの証左にもなります。

③クリーンルーム環境での成形能力

体外診断製品・遺伝子解析チップ・PCR関連の成形品は、異物混入・微生物汚染に対して厳しい管理が求められます。クリーンルーム環境(クラス10,000以下)での成形が可能かどうかは、製品の品質と信頼性に直接かかわります。一般の射出成形工場とは製造環境が根本的に異なる点を、選定段階で確認してください。

>> クリーンルーム成形について

④製品の品質保証体制(DNAフリー・エンドトキシンフリー等)

遺伝子解析・生殖補助医療・細胞培養向けの製品では、DNAフリー・RNaseフリー・エンドトキシンフリーの品質保証が求められます。「フリーであること」を証明するためには、リアルタイムPCRシステムなどの分析設備と、ロットごとの検査体制が必要です。成形メーカーがここまで対応できるかどうかは、製品カテゴリによって選定の決め手になります。

>> DNAフリーとは?生殖医療や遺伝子解析に必要な3つのフリーについて

⑤開発段階からの提案力(VA/VE・試作対応)

製品の量産段階だけを担う委託先と、開発・試作・金型設計から関与できる委託先では、顧客が受け取れる価値が異なります。海外展開を見据えた製品開発では、仕様の最適化・コストダウン・成形上の課題の早期発見が求められます。開発段階から一緒に考えられるパートナーかどうかを、委託先選定の観点に加えることをお勧めします。

海外展開を阻む、製造委託先選定の落とし穴

【ポイント】コスト・納期だけで委託先を選ぶと、海外展開の段階で品質証明・規制対応の問題が表面化します。

「ISO13485取得済み」だけでは不十分な理由

ISO13485は取得すれば終わりではなく、継続的な内部監査と管理の実運用が求められます。証明書の発行年月・サーベイランス審査の実施状況・製造記録の管理方法まで確認しないと、「取得済み」という事実だけでは品質の実態は見えません。

弊社の立場からお伝えすると、ISO13485の運用を実質的に機能させるには、日常の製造記録・逸脱管理・是正処置の仕組みが製造工程に組み込まれている必要があります。認証取得から数年経過した委託先で、実態が形骸化しているケースは珍しくありません。

コスト優先の委託先が引き起こすリスク

製造委託先をコスト基準のみで選定すると、品質基準・認証要件・製造環境の確認が後回しになりがちです。海外展開の直前になって「委託先が必要な書類を用意できない」「クリーンルームがない」という事実が発覚し、サプライヤーを変更せざるを得ないケースは、弊社にご相談いただく事例の中でも複数件ございます。

委託先の変更は、金型の移管・品質実績の積み直し・顧客への説明といったコストと時間を伴います。初期選定の段階で品質・認証・製造環境を確認しておくことが、長期的にはコスト削減につながります。

分業ラインの不明確さが招くトラブル

「成形のみ委託」「金型は顧客が持ち込み」「検査は別の外部機関に依頼」など、工程が複数の主体に分散している場合、責任の所在が曖昧になるリスクがあります。特に海外展開では、どの工程をどの事業者が品質管理の責任を持つかを明確にしておく必要があります。成形から金型・検査まで一貫して対応できる委託先を選ぶか、責任範囲を契約で明確化することが重要です。

>> 医療機器製造委託とは?委託先に求められる要件

「MADE IN JAPAN」の製造品質が、海外市場で信頼される理由

【ポイント】日本の製造現場が持つ品質管理の水準と文化は、海外バイヤーや規制当局から長く評価されてきた実績があります。

海外バイヤーが日本製造を選ぶ理由

日本製(MADE IN JAPAN)の医療機器・部品が海外で信頼される背景には、製造工程の精緻さ・品質管理文化の定着・不良率の低さという実績の積み重ねがあります。コスト競争力では中国・東南アジアに劣る場面があっても、品質の安定性と書類対応の確実さを評価して日本の委託先を選ぶバイヤーは少なくありません。

特に体外診断製品・遺伝子解析チップ・生殖補助医療関連製品のように、品質のばらつきが検査精度に直結する製品では、「最初から日本製で揃えたい」というバイヤー側のニーズが存在します。

体外診断製品・遺伝子解析製品の製造で求められる水準

PCR検査用のチューブ・チップ・試薬カートリッジなど、体外診断製品の成形品には、通常の工業製品とは異なる品質水準が求められます。DNAコンタミネーションがゼロであること、ロット間の寸法ばらつきが最小限であること、クリーンルームで成形されていること——これらはいずれも「証明できること」が必要です。

弊社では、世界最高峰水準のリアルタイムPCRシステム「QuantStudio® 5(ThermoFisher製)」を用いて、成形品のDNAフリー・RNaseフリーの品質検査を実施しています。国内でここまでの品質保証体制を持つプラスチック成形メーカーは、弊社の知る限り極めて限られています。

>> ディスポーザブル・シングルユース医療プラスチックとは?

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親和工業が医療機器の海外展開を支える製造パートナーである理由

【ポイント】ISO13485・医療機器製造業許可・クリーンルーム・DNAフリー保証・開発提案力を一社で持つ、国内でも希少な医療用プラスチック成形メーカーです。

ISO13485・医療機器製造業許可・クリーンルームの三位一体体制

親和工業は、ISO13485認証・医療機器製造販売業許可(許可番号:11B2X10048)・医療機器製造業登録(登録番号:11BZ200082)の三つを保有しています。さらに社内にはクラス10,000のクリーンルームを完備しており、体外診断製品・精密医療部品の成形に対応できる製造環境を整えています。

これら三つが一社で揃っている中小規模の射出成形メーカーは、国内でも多くはありません。顧客が海外展開を進める際に必要な品質証明書・製造記録・認証書類を、弊社一社から取りまとめてご提供できます。

リアルタイムPCRによるDNAフリー保証

弊社が保有するThermoFisher製「QuantStudio® 5」は、世界最高峰水準のリアルタイムPCRシステムです。このシステムを活用して、PCR検査用消耗品・遺伝子解析チップ・細胞培養容器など、DNAコンタミネーションに敏感な製品のロットごとの品質検査を実施しています。

「DNAフリーです」という主張ではなく、「検査結果として証明できる」という点が、海外展開を見据えた顧客に評価いただいている理由の一つです。

創業50年超・医療分野への特化と開発段階からの提案実績

親和工業は昭和49年(1974年)の創業以来、50年以上にわたって射出成形に特化してきました。その中でも医療分野との取引を通じて、ISO13485取得・クリーンルーム整備・特注成形機の導入を段階的に進め、現在の体制を構築しています。

単なる受託成形に留まらず、開発段階からのVA/VE提案・流動解析・金型設計まで対応しており、医療機器に関する特許も複数保有しています。「成形するだけのメーカー」ではなく、製品の完成度を上げるために一緒に考えるパートナーとしての役割を大切にしています。ただし、対応できる製品の種類・規模・納期については、まずはご相談の上で確認いただくことをお勧めします。

>> 親和工業のISO13485認証とQMS体制について

>> 医療用プラスチックの種類と特徴一覧!選定のポイント

医療機器の海外展開向け製造委託なら、親和工業にお任せください

親和工業では、以下のカテゴリを中心に医療機器向けプラスチック成形品の製造を受託しています。

  • PCR検査用消耗品(チューブ・チップ・試薬カートリッジ等)
  • 体外診断用プラスチック容器・部品
  • 遺伝子解析・細胞培養関連の成形品
  • 医療用シリンジ・ノズル・フィルター部品
  • 不妊治療・生殖補助医療向け成形品

「海外展開を進めたいが、現在の委託先で品質証明が揃うか不安」「ISO13485対応の成形メーカーに切り替えたい」「開発段階から一緒に考えてくれるパートナーを探している」——こうしたお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度弊社にご相談ください。

よくある質問

Q.  製造委託先がISO13485を持っていなくても、医療機器の海外展開はできますか?

A.  技術的には可能な場合もありますが、海外のバイヤーや規制当局からサプライヤーの品質証明を求められた際に対応が困難になるケースがあります。展開先の市場・製品分類によって必要条件は異なるため、まずはご相談ください。

Q.  親和工業では体外診断機器・PCR関連製品の製造実績はありますか?

A.  はい。PCR検査用消耗品をはじめ、遺伝子解析・細胞培養関連のプラスチック成形品の製造実績がございます。守秘義務の範囲がありますが、詳細はお問い合わせにてご確認ください。

>> お問い合わせはこちら

この記事を書いた人

親和工業株式会社 技術スタッフ
親和工業株式会社 技術スタッフ
親和工業の医療用プラスチック成形を支える、社歴20年の現場技術担当です。

私の強みは、流動解析を用いた3D金型設計から、現場での成形オペレーション、高精度な検査、そして梱包出荷に至るまで、射出成形のすべての工程を自ら泥臭く経験してきたことです。

各工程のメリット・デメリットを骨の髄まで理解しているからこそ、開発・設計段階での確実なVA/VE提案や、手戻りのないスムーズな試作・量産化が可能です。

特級技能士の技術力と、クラス10,000のクリーンルーム、最新のPCR品質保証体制を掛け合わせ、世界の医療を支える高品質なプラスチック製品をお届けします。

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