技術コラム

Column

成形不良の主な発生原因

プラスチック射出成形において成形不良の発生原因とは、成形の工程の中で複合的かつ複数の要因が互いに絡み合って発生します。従って、その対策や解決方法も成形不良を一元的原因だけで考えるのではなく、多岐にわたってその解決方法を考えながら、不具合の成形品をよく観察する必要があります。
それの成形不良発生原因の中でも、大まかな要因として以下の6つのポイント挙げられます。

  1. プラスチック原料の性質に欠陥がある
  2. 成形機の能力不足
  3. 金型デザインや構造に欠陥がある
  4. 成形条件の設定が不適当である
  5. 製品設計上の設定が不適当である
  6. 商品要求が射出成形の限界を超えている

上記の6つのポイントの他にも、外部要因(異物の混入、湿度、外気温など)や、その他環境による成形不良などにも十分に注意することでプラスチック射出成形不良を防止することができます。

この記事を書いた人

親和工業株式会社 技術スタッフ
親和工業株式会社 技術スタッフ
親和工業の医療用プラスチック成形を支える、社歴20年の現場技術担当です。

私の強みは、流動解析を用いた3D金型設計から、現場での成形オペレーション、高精度な検査、そして梱包出荷に至るまで、射出成形のすべての工程を自ら泥臭く経験してきたことです。

各工程のメリット・デメリットを骨の髄まで理解しているからこそ、開発・設計段階での確実なVA/VE提案や、手戻りのないスムーズな試作・量産化が可能です。

特級技能士の技術力と、クラス10,000のクリーンルーム、最新のPCR品質保証体制を掛け合わせ、世界の医療を支える高品質なプラスチック製品をお届けします。

関連記事

タンパク質解析用プラスチック製品の成形に求められる条件とは?

タンパク質解析用プラスチック製品の成形に求められる条件とは?

親和工業株式会社 医療用プラスチック成形.com Contents AI Generated はじめに タンパク質解析装置の信頼性を左右するのは、試薬や測定機器だけではありません。サンプルが直接触れる ...

抜きテーパーゼロ成形とは?

抜きテーパーゼロ成形とは?

親和工業株式会社 医療用プラスチック成形.com Contents AI Generated 医療機器部品での実現方法と課題 「テーパーゼロで量産してほしい」。医療機器メーカーの設計・調達担当者からそ ...

薄肉射出成形はなぜ難しい?

薄肉射出成形はなぜ難しい?

親和工業株式会社 医療用プラスチック成形.com Contents AI Generated はじめに 医療や検査の現場では、製品をできるだけ薄くしたいという要望が年々強くなっています。代表例がリアル ...

プラスチック成形技能士(特級・1級・2級)とは?等級ごとの違いと工場選定での活用方法

プラスチック成形技能士(特級・1級・2級)とは?等級ごとの違いと工場選定での活用方法

親和工業株式会社 医療用プラスチック成形.com Contents AI Generated はじめに 「形状は合っているはずなのに、ロットによって寸法がばらつく」「委託先に聞いても、なぜそうなるかの ...

医療用プラスチック製品アセンブリ工程の重要ポイントと選び先の見極め方

医療用プラスチック製品アセンブリ工程の重要ポイントと選び先の見極め方

親和工業株式会社 医療用プラスチック成形.com Contents AI Generated 【はじめに】  医療用プラスチック製品のアセンブリ(組立)工程は、成形後の品質を左右する最終関門 ...

プラスチック射出成形とは

プラスチック射出成形とは

プラスチック射出成形とは、プラスチック成形方法の最も代表的な成形方法です。プラスチック原料を加熱溶融し、それを加圧して閉じた金型内に注入し冷却、固まったものを金型を開いて取り出し、求める形状・厚みの成 ...

プラスチック射出成形における金型

プラスチック射出成形における金型

プラスチック射出成形を行うにあたり、その成形品の精度や品質は金型の精度に大きく影響されます。プラスチック成形品のバリやソリ、変形などが出ず、高品質なプラスチック成形品を作るためには、完成品に合わせた金 ...

医療用プラスチック射出成形に使用される材料について

医療用プラスチック射出成形に使用される材料について

医療用プラスチック射出成形では、下記のようなプラスチック材料が使用されます。 ポリプロピレン(PP) ポリカーボネート(PC) ポリアミド(PA) ポリエチレン(PE) ABS樹脂 ポリスチレン(PS ...

ポリプロピレン(PP)について

ポリプロピレン(PP)について

医療用のプラスチック射出成形に使用される材料は様々なものがありますが、代表的なものにポリプロピレン(PP)があります。 ポリプロピレンの特徴として、耐薬品性があげられます。ポリプロピレンは酸、アルカリ ...

ABS樹脂について

ABS樹脂について

ABS樹脂とはアクリロニトリル(Acrylonitrile)、ブタジエン(Butadiene)、スチレン(Styrene) 共重合合成樹脂の総称で、原料の頭文字に由来しています。 ABS樹脂は医療用プ ...

ポリカーボネート(PC)について

ポリカーボネート(PC)について

ポリカーボネート(PC)は、透明性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性、寸法安全性などにおいて高い物性を示し、特に耐衝撃性は一般的なガラスの250倍以上と言われている。高い耐衝撃性を活かし、強化プラスチックとし ...

ポリエチレン(PE)について

ポリエチレン(PE)について

代表的なプラスチック原料である、ポリエチレン(PE)はプラスチック樹脂の中でも最も価格が安く、加工しやすい原料のひとつです。そのため、医療機器や医療用具など医療業界向けのプラスチック製品にも多く使われ ...

ポリスチレン(PS)について

ポリスチレン(PS)について

ポリスチレン(PS)とは原油とナフサを原料としたスチレンモノマーを重合させて作るプラスチック樹脂のことです。ポリスチレン(PS)は、医療用プラスチックにも使用されるプラスチック樹脂のひとつですが、ポリ ...

プラスチック射出成形の金型メンテナンスについて

プラスチック射出成形の金型メンテナンスについて

チップや試薬カートリッジなどの医療用プラスチック成形品は、連続射出成形をしていると、金型にプラスチック樹脂のガスヤニが内部に溜まってしまいます。プラスチック樹脂金型内のガス逃げ不良により、プラスチック ...

アクリロニトリル・スチレン(AS)について

アクリロニトリル・スチレン(AS)について

アクリロニトリル・スチレン共重合体が正式な日本名であるアクリロニトリル・スチレン(AS)は、ポリスチレン(PS)と同様の透明性があり、ポリスチレン(PS)よりも硬度、耐衝撃性、耐薬品性、耐熱性が優れた ...

医療用プラスチック射出成形とクリーンルームの運用について

医療用プラスチック射出成形とクリーンルームの運用について

クリーンルームの運用の原則としては、クリーン度が下がる要因をクリーンルームの中から徹底的に排除しなくてはならないという点です。しかしながら、医療用プラスチック成形においては、クリーンルーム内での生産が ...

成形品の取り出し方法(吸着式)

成形品の取り出し方法(吸着式)

吸着式とは取り出し機を使用し、ロボットのアーム先端にチャック板を取り付け、自動でプラスチック成形品を取り出す方法です。チャック板にゴム製のパッドを装着し、エアーにより真空吸引させることにより製品を落下 ...

成形品の取り出し方法(自動落下式)

成形品の取り出し方法(自動落下式)

自動落下式とはプラスチック成形品が金型から離型された後、ロボットでチャックさせずに金型の下へそのまま落下させる取り出し方法です。製品の形状や大きさ、取り数によってロボットでチャック出来ない時には自動落 ...

可塑化前進保持と計量後後退について

可塑化前進保持と計量後後退について

プラスチック射出成形は、金型にノズル先端をタッチさせ溶融樹脂を金型内に充填します。可塑化前進でノズル先端が金型に接している間は、ノズル先端の温度は金型に取られることで冷やされてしまいますが、可塑化を後 ...

プラスチック射出成形に使用される付帯装置について

プラスチック射出成形に使用される付帯装置について

プラスチック射出成形を行うにあたっては、プラスチック射出成形機以外にも様々な付帯装置等が必要となります。ここでは、それらの付帯装置について実際に現場で成形をしている視点から紹介したいと思います。 ①製 ...

金型に使用する材料について

金型に使用する材料について

プラスチック射出成形用金型に使用される金型材料は「鋼(スチール)」です。「鋼(スチール)」には炭素が含まれています。炭素が多いと材料は固くなりますが強度は落ちます。反対に炭素が少ないと粘り強くなります ...

射出成形における樹脂交換の基礎知識 樹脂許容温度について

射出成形における樹脂交換の基礎知識 樹脂許容温度について

加熱シリンダーの温度設定の許容範囲が重なる場合 樹脂の種類が違う成形工程を続けて行う場合、加熱シリンダー内の樹脂を置換させる必要があります。例えばPOM(180°~ 210°)からPP(160°~ 2 ...

プラスチック射出成形の製品離型方法について

プラスチック射出成形の製品離型方法について

プラスチック射出成形において、製品を金型からスムーズに離型させることは、安定した連続成形を行うためには不可欠です。基本的に製品は金型内で冷却されて収縮し、コアの部分に張り付いてしまいます。離型がうまく ...

ランナーの離型方法について

ランナーの離型方法について

プラスチック射出成形においては、製品の離型と同様にランナーの離型も重要です。スムーズに離型させることが出来なければ、ランナーが切れて金型に残ったり、取り出し機で取れなくなったりしてしまいます。 ①エジ ...

プラスチック射出成形金型温度の制御

プラスチック射出成形金型温度の制御

プラスチック射出成形において、金型には型内に冷却水などを通して一定の温度を保ちながら成形を行います。型内に冷却水が均等に流れ、一定の温度を保つことができなければ、金型の温度が高くなり、一定の条件で成形 ...

金型冷却媒体の流れ

金型冷却媒体の流れ

プラスチック射出成形における冷却媒体(ここでは水とします)はホース内を流れて金型を冷却します。その冷却媒体の流れには「乱流」と「層流」の2種類があります。層流とは、ホース内で水がゆっくりと層をなしてい ...

プラスチック射出成形材料の成形性

プラスチック射出成形材料の成形性

プラスチック射出成形の材料は様々な種類があり、用途によっても多種多様な選択が可能です。成形性が良くない場合、成形品の形にならず、精度不良、離形性が落ちて成形サイクルが長くなり、歩留りが悪くなりコストア ...

オーバーパック対策

オーバーパック対策

プラスチック成形品をオーバーパックさせると、金型から離型がしづらくなり突き出しの際に成形品の一部が白化したり、擦り傷が付いたりしてしまいます。最悪の場合には、金型から取り出せなくなり、金型を破損させて ...

成形サイクルと製品コスト

成形サイクルと製品コスト

プラスチック成形品の製品価格は大きく分けて、材料費、加工費、販売管理費、利益、などから構成されます。この中で成形サイクルが製品価格に影響してくるのは加工費です。プラスチック成形品の製品コストはプラスチ ...

リブ部のショートショット対策

リブ部のショートショット対策

プラスチック射出成形品において、リブ部分のショートショットが発生する原因として、金型内の空気がリブ部分に閉じ込められ、金型内から空気が逃げ切れないため溶融樹脂が完全に充填されず、ショートショットが発生 ...

保圧時間の設定方法

保圧時間の設定方法

プラスチック射出成形の成形条件の保圧時間を設定するには、ゲート時間を知る必要があります。成形品の重量はゲートシールまでは保圧をかければ重くなり、ゲートシール以降では保圧時間を延ばしても金型のキャビティ ...

電動式射出成型機の特徴

電動式射出成型機の特徴

プラスチック射出成形機は大きく分けて、電動式と油圧式の2種類に分かれます。電動式射出成型機の特徴は以下の通りです。 電動式では、実際に動いている間しかモーターは回転していないので、電力コストが削減でき ...

射出成形の速度と圧力について

射出成形の速度と圧力について

射出成形の条件設定において、射出工程と保圧工程の設定の違いは、切り替えがスクリューストロークかタイマーの違いです。どちらの工程も速度と圧力は設定しますが、射出工程は速度制御であり、保圧工程は圧力制御工 ...

射出成形の計量精度の安定化について

射出成形の計量精度の安定化について

プラスチック射出成形において、計量精度の安定化は、成形を安定させる重要な工程のひとつです。溶融樹脂の充填量が不安定だと成形も不安定になります。材料の可塑化が終了してもスクリューの逆流防止弁には圧力が残 ...