今の医療業界に存在しない性能を持った医療用プラスチック製品の開発ストーリー

 医療現場では、不妊治療といえば、女性側の研究や治療を主として行ってまいりましたが、最近では男性側の研究や治療も進んでまいりました。そのような環境下において、これまで精子を保存する機能性・利便性で優れた容器は存在していませんでした。その解決をお考えの先生からご相談を受け、この精子保存・輸送を目的とする専門の容器:トランスポーターSの開発がスタートしました。
 このページでは、その精子保存・輸送容器:トランスポーターSの開発の流れをご紹介いたします。

従来製品を、改良・設計・開発の全貌

 「医療用プラスチック 成形.com 」を運営する親和工業株式会社にご相談いただき、製品を改良する打合せを重ね、医療用のプラスチック製品を共同開発した内容をご紹介いたします。

1.現行品の問題点

従来の精子 保存・輸送容器

 現行の精子の保存・輸送容器は、一般的なプラスチック容器が使用されていました。
 この容器は、1重構造の為、外気温度の影響を受け易くなっていました。容器の体積が大きい為、絶えず精子が空気と接触し、劣化してしまうという問題点がありました。

2.お客様からのご相談

精子 保存・輸送容器の素案

 現行品の問題点を解決する精子の保存・輸送容器の開発をお考えのお客様から、素案を基にご相談をいただきました。
 医療の視点からの機能とプラスチック成形の視点で、製品化に向け、共同開発がスタート。

3.CADを使った当社からの提案

素案から機能Upするご提案

 お客様や使用するお医者様(教授様)のご要望を、3D-CADを用いて設計することで、3Dプリンターによるモデルをご用意し、サンプルをお客様に実際に見て、手で持って確認していただきました。
 この際に、保存・輸送容器にお客様が求める機能を満たすために、特級プラスチック成形技能士の経験と知識によって、より良い製品形状に設計提案・形状改良を行いました。

4.金型・試作品の設計・製作

試作品のご提供

 製品設計が完成すると、次は金型設計、そして金型製作へと移って行きます。
 金型設計は、製品の量産時に製品の品質を安定させ、効率よく生産する為の最も重要な工程となります。金型設計にて考慮が不十分な場合は、たいていの場合、試作後の金型の手直しが多く、製品完成までの時間やコストが掛かってしまうことになります。

5.製品の最終の打合せ

最終図面を基に詳細打合せ

 金型製作後は、実際の成形です。量産品をご確認頂き、製品の最終的な仕様や梱包仕様、ガンマー線滅菌の仕様や、ガンマー線照射テストを行い、医療用プラスチック製品として完成までの打合せを行いました。
 新しくできた高機能の“精子 保存・輸送容器”を市場に提供するための最終打合せです。

6.新商品の開発 完了

完成した精子 保存・輸送容器

 お客様やお医者様(教授様)と、製品開発の為の打合せや試作を重ねて、これまでにない精子保存・輸送容器に特化した、新製品の開発が完了です。
 親和工業として日本だけでなく、世界中の医療現場で使用され、人々の役に立つ製品開発に携われたことが本当に幸せです。

①専門支援者:大学・病院、②事業統括:企業、
③容器開発:親和工業(当社)による事業推進体制

本事例は、現行の精子の輸送・保存容器を改善したいと強くお考えの企業のご担当者様と、
それらをサポート支援する大学・病院に、プラスチック成形の技術提供という形で親和工業が加わった共同開発になります。

 

不妊症の治療成績向上に資する新しい精子輸送法の実現へ
・劣化リスクの低減
・利用者の利便性向上と不安解消
・治療成績の向上

高性能 精子 輸送・保存容器
「 トランスポーターS 」の紹介

ご相談をいただき製品化した高性能 精子 輸送・保存容器、トランスポーターの全貌をご紹介いたします。

1.本体から円錐蓋を外す

  • 円錐蓋を左側に回して本体から外します(天板は外さないでください)
  • 外した円錐蓋は装着時と逆向きでたいらなところに置きます。

<注意事項>
容器は減菌されています。雑菌の侵入を防ぐために円錐蓋と本体内部の部分には触れないようにしてください。

2.本体に採精する

  • 本体中央の貯蔵菅部分を目印に採精します。
  • 液体がすべて収納されたら速やかに円錐蓋を右側に回し、しっかりと締めます。(本体から底蓋を外さないでください)

3.保存・輸送する

  • 容器は直射日光を避けて保存・輸送してください。
  • 液体を空気に触れさせないために円錐蓋は開けないようにしてください。
  • 容器は高い密閉性がありますが、上下逆向きにしないようにしてください。
  • 自宅から医療機関への輸送は常温でできるだけ短時間で行いましょう。

4.回収の準備

  • 射出精液は本体の下部から回収するように設計されています。
  • 円錐蓋は閉じたままで、本体下部の底蓋を外してください。
  • 回収専用のシリンジをご用意ください。

5.射出精液の回収

  • 本体を下から見ると貯蔵菅の真ん中に小さな凹み(直径1mm、厚さ0.1mm)があります。
  • 凹みにシリンジのカヌラを差し込み、射出精液を回収します。

6.使用

  • 目的に応じてご使用ください。

※ トランスポーターSの取扱い説明書より抜粋

医療用プラスチックの成形品における
設計・製作の豊富な実績

 親和工業では、専門の技術サイトである『医療用プラスチック成形.com』を運用しており、そこから医療用プラスチック製品の設計・製作のご依頼をいただいております。(詳細はHPをご確認ください)

医療用プラスチック製品の
豊富な設計・製作の実績

お客様の製品構想・企画を形にする
成形に関する形状・技術提案力

 ご相談いただく開発案件は、製品の最終形状が固まっていないことも多く、このようなケースでは、打合せの中で製品の機能面を親和工業が把握した上で、形状提案をいたします。その際、専門的な成形技術を基に、製品製造の工程短縮などにより、機能面とコスト面を改良してまいります。


特級プラスチック成形技能士による
高機能を実現する成形技術

 プラスチック製品の試作開発から量産まで、特級プラスチック成形技能士一貫して対応致します。成形だけでなく、金型設計まで特級プラスチック成形技能士が行うため、極薄・高精度成形、品質安定の高い成形品の形状を実現します。

極薄成形や高精度成形に
対応する成形技術

同業者が断る形状も実現する
プラスチック製品の金型技術

 親和工業では、同業の成形会社が断った製作案件をこれまで多く形にして量産してきました。金型設計から製作までの高い技術力によって、製品化に必要な形状と品質、量産体制を実現いたします。

他の成形会社が断る形状を
実現する金型の設計・製作技術

医療機器製造業や医療用製品に
専門特化した製造現場の完備

 粉塵が少ないクラス10,000のクリーンルーム内での射出成形や、医用機器製造業やISOの資格など、医療用プラスチック製品を製造するための設備や環境を完備しております。

医療用プラスチック製品を
製造する設備と環境の完備

お問合せ

本ページの問合せフォームから、もしくは、電話にてお問合せ下さい。

 下記のお問い合わせフォームよりお客様のご希望・ご要望をお寄せください。お見積り・ご相談内容について 図面などの詳細情報をご記入いただけますと、その後の対応がスムーズになります。

ご提案

企画や構想、既存製品などを送付いただき、打合せをスタート。

 お客様がお考え中の製品企画のポンチ図や、既存製品を送付いただき、それをもとに打合せを行います。その
際にお客様からのご要望をお聞きして、親和工業からもご提案をいたします。

試作品

試作開発品の提示。打合せによる改善。

 お客様の企画・構想を試作品や3Dデータなどで形にいたします。
そのデータをもとに、お客様からさらなる改善要望や量産に向けての詳細な打合せをおこないます。

量産化

量産に向けての最終的な仕様を確認

 試作品をご評価頂き、必要な場合は、お客様のご要望変更に応じ改善していきます。医療用プラスチック製品を製品化するための最終仕様を固めた後、その製品の供給体制等の打合せをおこないます。

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